死者を巡る「想い」の歴史 山本幸司著 去った者と生者 交流史の旅 - 日本経済新聞

読了後、最初に口をついて、ふと出た言葉がある。「こんな本、書きたかった。先にやられたぁ……」であった。著者は、網野善彦以降の歴史学、そのソフト化路線の旗手のひとりである。ここでいうソフト化とは、重厚長大な、ハードな歴史学に対しての「言い」である。政治権力や経済などを中心とした歴史学から、身振りや死な…